化学物質過敏症とパニック障害

 最近化学物質過敏症が増えてきていると言われています。このパニックのホームページで化学物質過敏症を持ち出した理由は、化学物質過敏症とパニック障害とはほぼ同じ仕組みの障害だからです。どこが違うかと言いますと、パニック障害での恐怖を起こす条件刺激は目で見える物、音で聞こえる物であるのに対して、化学物質過敏症では臭いであることです。パニック障害では恐怖を起こす条件刺激が特定できないのに対して、化学物質過敏症では臭いを避けることで恐怖を起こす条件刺激を避けることができることです。これらの事実は障害を持つ人の出す症状に若干の違いをもたらしますが、本質的には共通する症状を出します。

目や耳からの特定できない恐怖の条件刺激−−>大脳辺縁系−−>不安及び恐怖によるパニック、自律神経の症状

ある特定の臭い−−>大脳辺縁系−−>不安及び恐怖、自律神経の症状

つまり、ある強い恐怖を経験したときに、それも繰り返し経験したときに、その人の周囲にあった光景や音を、恐怖を生じる条件刺激として学習した場合がパニック障害や鬱病です。それに対して、その人の周囲にあった臭いを恐怖の条件刺激として学習した場合が化学物質過敏症です。このことについては、心の傷のホームページ、心の傷の概念をごらんになって下さい。

 

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